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JUGEMより引っ越しました。最近はもっぱらツイートメインですが、長い文章を書きたいときに更新します
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ふと、絶望的な気持ちになります。はい、連ドラの話しです。

そんなに熱心に観てる訳じゃなくて、朝のTVで普通に流れてるのを横目で観てる程度なんですが。「ジブリの描く少女漫画だなあ」って感想。あるいは、口当たりの良いスープのようなドラマ。咀嚼せずに嚥下できるから、楽ではありますね。

かわいくて誰からも好かれる主人公、愛情ある家族、友人にも恵まれ、結婚先の舅姑にも愛され。母親や兄との死別もあったり、仕事でいやな目にもあったり、時代に翻弄されることもあるけど、明るく笑い声の絶えない、心温まるお話。

嫌な人が一人もいないんですね。何でかって言うと、過去語りだから。「昔、こんなことがあったのよ」って、過ぎ去った時間を懐かしく思い出すお話だから。その人が持ってた嫌な部分や毒気も抜け、悲しいことも辛いことも浄化されて、「いろいろあったけど、今となっては楽しい思い出よ」って。そういう回顧録に付き合ってるようなもの。

何より、どんなに過酷だと思えるお話しであっても、「今の陽子はちゃんと生きていて、それなりに幸せに暮らしている」と言う現実が、このドラマには最初に提示されている。マイナス方面でストーリーに同調しても、後々まで引きずることもなく、心から安心して『感情移入』できる。安全が用意された遊園地の遊具に、乗るように(そういえば『ゲゲゲの女房』も似たような構図だったなあ)。

確かに、朝っぱらから喧嘩とかギスギスシーンなんか観たくないし、先が気になってハラハラドキドキやきもきしたくない。一日のスタートを、安心して、爽やかに切りたいって気持ちも分かる。

それはそれでいいんだけど。けれど、おひさまの紡ぐお話しは、あまりに優しくて美しいから、正直、絶望的な気持ちにすらなってしまう。

あまりにも綺麗なものしかない有り様に。そして、失った過去を懐かしむドラマが、多くの人に支持されてる現状に。

前向きに生きることに、みんなすげえ疲れてるんだなあ、と。

『前向きに生きよう』って、それはそれで残酷なもので。見たくない物を直視して、聞きたくも無い事を聞き、それに耐えなくちゃならん訳で。自分にがんばろう、がんばろうって鞭打って、気を詰めてる時に、そりゃあ、ほっとできる場所のひとつやふたつ、欲しくなる訳で。

そういう人の心に、寄り添う形でぴたっとはまったのかなと思うのですよ。ただ、それを欲する人々があまりに多いし、何故そうなったかを考えると、絶望的な気持ちになってしまうのです。過去をどんなに懐かしんでも、二度と戻ってこないのに、と。

『おひさま』の綺麗さは、無駄なものを削ぎ落とし整理された綺麗さです。だからこそ、綺麗にする過程で手放したもの、手放さざるを得なかったものが透けて見えてしまう。だから余計に、絶望的な気持ちになってしまうのかもしれません。


…だいぶひねくれてるなあ、自分。まあ、『おひさま』の拵えそのものは否定しません。人間のドロドロばかり書いたお話ばかりが良いとは思わないので(笑)。NHKの『おひさま』のダイジェスト放送っぷりがくどいので、うんざりしてるんだよきっと(笑)。「分かった、分かったから。陽子さんがいつの時代も幸せだったってのは分かったから」ってw

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